続・ルーブルの硝子

 

「お久しぶりです。ちょっとお仕事頼まれてくれませんか?」



大工の木村さんとは長い付き合い。

これまで自宅の改装、スタジオ制作など、あらゆる工事を請け負ってくれた。



「へ〜東中野ですか?来週行ってみますよ。もしできそうならその場で外しちゃっていいんですか?その硝子」



話が早い



「ありがとうございます!お願いします!一旦僕の家で硝子預かりますので運んでくれたら最高です!」


結局



硝子を引き取ることにした。


全く後悔はしていない。マダムの思いをどう形にできるかは悩ましいが、まずは託してくださったことに感謝。大切にします。


余談ですが、大工の木村さん。電話に出る時、誰からの電話か確認せずに出るようだ。


いつも不審そうな声で出る。

「は、はい、、」

そして名前を名乗ると「おお!お久しぶりです!」と驚いてくれる。



それも毎回。



さて、そんなこんなでルーブルの硝子は速やかに取り外され、我が家にやってきた。


しばらく眠ってもらったけど、昨年11月の自由が丘店のオープン。

デザインに無事組み込むことに成功した。


デザイナーさんもマダムの思いに賛同してくれたので

「綺麗だから下から照明当てましょう!!」と張り切ってくれた。ありがとうございます。



そしてプレオープンの日。難波さんが、たくさんの喫茶店オーナーに声をかけてくれました。


その中には、もちろんルーブルのマダムも。


プレオープンとは別に、贈呈式のような気持ちでマダムとお話ししたことを思い出します。


硝子はもちろん、赤い丸椅子、ライト、みんな新店舗で生まれ変わったことを、とても喜んでくれた。その素敵な笑顔は今も思い出せます。



最後にマダムと店内で記念写真を撮り、手を振ってお別れした。


そう言えば、ルーブルから家具をを引き取る時、

この子達は二十世紀にお嫁に行くんだと言ってた。


硝子も椅子もお嫁にきたんだなぁと思い出しながら、後ろ姿を見送った。




その2日後




難波さんからマダムが天国に旅立ったことを聞く。




東中野で、長年店を見守り続けた硝子とマダムは


喫茶二十世紀でお客さんを見守ってくれることになった。



ずっとあり続ける喫茶店

喫茶二十世紀。



今日も元気にオープンしてます!(水曜はお休みだけど)



おわり

 

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