東中野を訪れたのは、
東京喫茶店研究所二代目所長の難波里奈さんから誘われ、
到着するや否や、元気溌剌と笑顔のマダムが迎えてくれました。
ルーブルの看板、銅製の灰皿、かわいい椅子、オシャレなランプ、
捨てちゃうなんてもったいないなぁと強く感じたことを思い出しま
中でも印象的だったのは、仕切りに使っていた硝子。
「この硝子いいのよ。
マダムは言った。
確かに、控えめだけどエレガントなデザインは、
この硝子は、このお店の歴史を、
最初は、
でも、マダムが仕事中にふと目を向けた時、
客席への動線にこの硝子があるだけで自然と笑顔で対応できたり
ちょっと具合が悪い日でも、ご主人と硝子越しに目を合わせ、
マダムの語り口からも、
このまま全て取り壊されてしまうのかと思うといたたまれない。
「井ノ原さん、この硝子どうですか?」
え?
「もし可能なら、絶対いいと思います!」
するとマダムも
「壊してしまうのは残念だわ。とっても好きだったのよこの硝子。
ううう、う〜ん。悩ましい。
当時「喫茶二十世紀神宮前店」は完成したばかりだった。
それに、ルーブルのカウンター建具と一体化しており、
腕を組んで考える私。
上目遣いのマダム。
祈る難波さん。
次の瞬間、私はポケットからスマホを取り出し、
つづく